今回は、コミュニケーションを構成する三要素について解説をします。
人間の心を「たった3つの言葉」にまとめたような概念なので、人によっては極めて抽象的に感じられるでしょうし、「これを知ってどうなるの?」と思われるかもしれません。
しかしこの三要素を知り、使いこなすことができれば、あらゆる意思疎通の問題に対策の道が描けるようになります。
腑に落ちるまで、反復して視聴していただけますと幸いです。
動画講義
三要素の対応
古代ギリシア語のエトス(ETHOS)パトス(PATHOS)ロゴス(LOGOS)は、現代では様々な言語に派生しています。
たとえばエトスは、現代英語では倫理観を意味する「Ethics」に。
パトスは、感傷的を意味する「Pathetic」や情熱の「Passion」に。
ロゴスは、論理の「Logic」に派生しています。
また、哲学者のカントは人間の精神(心)の働きを「知・情・意」という言葉で表現しましたが、それぞれ、知=ロゴス、情=パトス、意=エトス、と対応しています。
私の個人的な解釈では、エトス=志、パトス=情、ロゴス=理、の漢字の対応が一番しっくり来ています。
母性と父性
子育てにおいて、子供を受け入れ包み込む母性性と、知恵や文化を教える父性性はどちらも重要ですが、「先に母性、次に父性」という連続性は、多くの研究者が推奨しています。
※母性や父性は、母親や父親という性別の縛りがあるわけではなく「母性=養護性」と呼ぶ場合もある
乳幼児の時期に、母性性の愛情を十分に受けなかった子どもは、自己肯定感が低くなり、父性性の教育を受け入れにくくなる傾向が見られています。
このように教育においても「先にパトス(情)、次にロゴス(理)」という構造が見事に対応していることがわかります。
コミュニケーションは、「愛情と理解からしか始まらない」。先人から教わる知恵を大切にしていきましょう。
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