神々を創造したロゴス

今回は、意思疎通の三要素の最後にあたる「論理のロゴス」について解説をしていきます。

理解が曖昧になりがちな「論理」について解説をさせていただきました。

動画講義

聖書におけるロゴス

人類史上最大のベストセラーである聖書(The Bible)は、第一章に天地創造の物語から始まりますが、実は創世記以前の物語(ヨハネによる福音書)には、その始まりにこのように示されています。

論理と聞くと(論理学という言葉があるように)ひとつの学問や技術だと捉えられがちですが、実際は「人間の思考」や「世界認識の仕組み」など、無数の要素を含んだ根本性が高いものです。

倫理のエトス、感情のパトスは、あくまでもロゴスを引き立てるための事前準備であり、究極的には、仮にエトスやパトスが不十分でも、ロゴスだけで説得することさえ可能です。※具体例は執筆の講義でお見せします

帰納と演繹の正しい解釈

動画講義の中では、わかりやすさを重視して身体感覚に同期させ「頭に浮かんだ感覚を言葉にするのが演繹」「言葉を並び替えるのが帰納」と表現しましたが、厳密には「抽象から具体へ展開する思考が演繹的思考」「具体から抽象へ収束させる思考が帰納的思考」です。

※実践編のマインドマップの講義で、詳しく解説していきます。

神秘主義にこそロゴスを

宗教信仰が全盛期の中世ヨーロッパにおいて、最大の神学者と呼ばれたトマス・アクィナスは、彼の名著「神学大全」の冒頭で、「理性を超えたものの追求は人間の試みるべきことではない。」と述べています。

神学や神秘思想と聞くと、抽象的でふわふわしたものを想像される方もいると思いますが、後世に名を残す神秘主義者(たとえば、ミルチャ・エリアーデやルドルフ・オットー)や形而上学者(デカルト、カント、ニーチェなど)は、例外なく理性を中心感覚に置いています。

もちろん人知を超えたものの存在を否定することはできませんが、こと意思疎通においては、ロゴスを無視してしまうと、ただの独りよがりになってしまいますので、神秘主義者(スピリチュアル)こそ、ロゴスを重視するとその他大勢と大きな差が生まれると思います。

COMMUNICATION:人間関係を豊かにする講義