コイン誕生までの物語

今回は、人類がコインを使うようになるまでの物語を解説させていただきました。

実践で使える知識にするために、ポイントだけを5分に纏めましたので、

あえて一部時系列を逆にしたり、簡略的な表現を使っていますのでご了承ください。

動画講義

政府の収入源と過去の錬金術

国(政府)の収入源は、複雑に見えますが、原則として、国民が収める税金のみで成り立っています。

そのため、財政難になった際に、政府に出来ることは、基本的に増税か借金しかありません。

 

増税をすると国民から反発を招くため、政府に力が無い時期にはできず、また借金をすると借り手に頭が上がらなくなるため、これも政府としては避けたい一手です。

インゴットから、硬貨を造る世界各国の政府は、財政難の際に、禁じ手である通貨の偽造(水増し)をすることで、臨時の収入を得ていました。

 

たとえば、通常であれば、1キロの金塊から、100枚の金貨を造るところ、同じ金塊から、101枚の金貨を造ることで、一時的に金貨1枚分の収入を得ます。

もちろん、市場に供給される数が1枚増える分、時間差で金貨の価値は1%程度下がりますが、過去の政府は、この錬金術によって、臨時収入を獲得していたと記録が残っています。

 

この錬金術は、やりすぎると、金貨そのものへの信用がなくなり、使われなくなるため、原則としては、所有するインゴットの量に応じて、硬貨の発行上限が決まります。

 

これは、現在の政府も同様で、日本政府が造れるお金は、硬貨のみで発行上限が決まっています。

お金と審美眼

インゴットの中でも、特に価値が高く、普遍的に(どの国どの時代においても)重宝されているのは、ゴールドです。

銅よりも銀、銀よりも金が重宝された理由は、第一に見た目が美しく、人々が欲しがったことが挙げられますが、科学的に観ても、銅→銀→金という順列には、法則性が見られます。

たとえば、原子表を見ると、3つのインゴットは、いずれも11列に属しており、原子番号が若い順に、銅(Cu)→銀(Ag)→金(Au)となっております。

※7行11列のRg(レントゲニウム)は自然界には存在しない

ゴールドは、金属の中でも非常に安定性が高く、他の物質と化学反応を起こさないという特徴があり、その堅牢さ、原子の奇跡の配列に対して、私たちが自然と「美しい」と感じるのだと思います。

同様に、光り輝くダイヤモンドは、地球上でもっとも硬く、最も透明な物質で、古来から宝として重宝されてきましたが、人類が「美しい」と感じるものこそが、真のお金であり、持つべき対象なのかもしれません。

あるいは逆に、真に美しいものを見分ける目(審美眼)を養うことが出来れば、お金を獲得することは、お箸でお米を掴むくらい簡単なことなのだと思います。

ASET:資産を作る講義