今回から、税金に関する動画講義のシリーズをお届けしてまいります。
納税者として、必要な基礎知識や確定申告のやり方を学ぶことはもちろん、納税という一見ネガティブなものを掘り下げて考えることで、新たな視点を手にしていきましょう。
今回の講義は、私自身が納税に対して最も重要だと思う考え方を共有します。
「税金=有無を言わず納めるもの」という共通認識がある中で、あえて、その常識を疑うような視点でお話しています。
非常に言葉にし辛い部分を、なんとか無理くりまとめましたが、5分の動画を観ただけでは、誤解を与えてしまう可能性がありますので、後述の文章まで合わせてご確認ください。
動画講義
※0:41:音声と字幕が一部異なっております(正しくは2021年です)
講義の目的
誤解の無いように申し上げると、私自身は、税金は常に正しく納めるべきだと考えており、毎年、申告通りに納めています。
ただし、「義務だから払わなければ!」というような盲目的な理由からではなく、起こり得るあらゆる可能性を加味したうえで、少なくとも
①申告した通りに納める
②申告自体をしない
③一部、遅らせて納める
④節税して納める
⑤逆に経費を圧縮して余分に納税する
⑥過剰に経費を含めて利益を圧縮する
⑦申告はするが滞納する
etcetra…
という様々な選択肢がある中で、①や④や⑤を選んでいるという感覚を持っています。
同時に、将来のある地点で、資金繰りが本当に厳しくなってしまったときには、重課金(追加金)を払う前提で、③や⑥や⑦を選ぶことも可能性としては残しています。
※法人ではなく、個人に限った話
納税だけではなく、年金や社会保険、カードの支払い、融資の返済についても、同様の視点で、原則の中心感覚としては、「適正な支払い」を意識しながら、時と場合によっては、重要性と緊急性の総合判断で、臨機応変な対応を想定しておくと、より、納税を自分事として捉えられるようになるのではないかと感じています。
原則と例外の感覚:年金を例に
税金と同様に、国民年金についても、法律では「義務」とされている一方で、納付は国民ひとりひとりに委ねられています。
※給与所得者は厚生年金として給料から天引きされる
ちなみに厚生労働省の発表では、国民年金の納付率は、約6割~7割と発表されており、納めていない方が、3割以上いると言われています。
私自身は、年金も税金と同様に、原則としては、適正な支払いをするという中心感覚を持ちながらも、時と場合によっては、例外的な対応として、一時的に納付を遅らせたり、免除や猶予の制度を受けることも選択肢に入れています。
年金は、制度の根本的な問題もあり、賛否両論だと思いますが、私自身は、主に下記の理由から、「納めた方が良い」と考えています。
◆年金を納付する選択をした場合
(益)将来、お金を受け取れる可能性がある(期待値は不明)
(益)支払いの期間中、重度障害に対する補償が受けられる
(損)お金がかかる(月額16,540円)
◆年金を納付しない選択をした場合
(損)督促状が届きストレスを感じる
(損)本来の支払い額に加えて、延滞金が15%近く請求される
(損)年収が400万円以上の世帯では、強制的な徴収の確率が割と高い
主に以上の要素(実際はもっと多い)を加味して、「毎月支払う」という選択を取っていますが、
収入が少なく、生活自体が厳しい状態であれば、免除制度・納付猶予制度を申請したり、
あるいは、2年以内にまとめて払うことを前提に、滞納して、稼ぐことに集中するかもしれません。





